散歩道(ブログ)

「結論を決める」から「引き出す」へ

改めて自分の変化に気付く機会になりました。
先週、ある場所で「コーチングを学んで」の自分の体験談をお話しさせていただく機会がありました。その骨子を自分の覚えとしても簡単に記載させていただきます。

「リーダーの大切な仕事は決めること、決断すること」。会社の研修で聞いたこのメッセージの影響も受け、以前の私は、多くのシーンで「少ない情報でも素早く結論を判断する上司」、或いは「部下が示す選択肢から勇気を持って決断を下すリーダー」となることを目指していました。
様々なテーマをスピード感を持って、どんどん前に進めていくこと。それが会社や組織が競争に勝ち残っていくためにも大切、という空気もあり、多少部下や自分自身に納得感のないことも、度胸を持って「エイヤ」で決めることがプロフェッショナルであるとも感じていました。

コーチングを学んで考えさせられたことは、それで何が得られて何が失われているかということ。そして、短期的な目標達成や日程管理が進む一方で、部下の当事者意識のダウンや、成長・育成の鈍化、あるいは計画そのものの精度の甘さが目立つ状況を作り出していることに気が付きました。
「選択肢を並べておけば上が決めてくれる」、「自分たちは優秀な作業者として機能するだけ」という当時の部下たちの言葉や、「何かシックリ感が弱い」という、その時の私自身の内なる声がそれを表わしているようにも思います。

その後、変わったこと。
それは、以前と同じレベルの報告書や計画書を受け取りながらも、結論を「自分が決めるもの」ではなく、「相手から引き出すもの」と捉え直したこと。そして、またそれは、決して最初に触れた「リーダーの仕事は決めること」という内容と矛盾するものでない、という気付きを得たことでした。

「最終意思決定者」との自覚と責任は持ちながら、「とても面白く読ませてもらったよ・・・」等の素直な励ましや、「で、それを進めていくと1年後にはライバルとの関係はどうなるんだっけ・・・」等の問い掛けの力を磨き、その結果、円滑に適切な結論を導き、仕事を前に進めるリードをすること。
それはある場面では、「やり直し」を導くケースもありますが、部下自身の納得感や成長感が伴っているという点で、それまでとは違う種類の話に変身してきたと感じます。決して言えばすぐできるほど簡単な取り組みではないですが、この方向性を大切にして、このレベルの向上に今後一層励んで参ります。

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