散歩道(ブログ)

メタファー力について

この表現力、とっても盗みたいです。
先週の東京の企業幹部の方とのコーチング。抱えられるチームの複雑な状況の整理に、私がやや苦労しているのを察するやいなや、「サッカーで例えるとですね・・・」と、たいへんユニークな表現で教えていただきました。

「上からの指示は「お前自身はなるべくピッチに立つな」ということなんです」
「ただ、まだJ2のメンバーでJ1の試合に勝てというようなところもあり、ここが苦しいんです」
「あまり動かない割に、シュートだけは自分が打つんだと言って、ゴール前でずっと待っている人もいます」
「アシストしないで、ロングシュートばっかり狙う人が多いんです(キーパーもです)」
「中心メンバーもボールのキープ力はあっても、パス出しがうまくないところを感じます」
「オウンゴールも発生しました」
「ついついもう自分自身がドリブルで切り込んで、シュートしたい気持ちになってしまいます」
・・・・・・。

こう伝えていただくと、私もそのイメージがよりしっかり頭に湧きます。
「ピッチの中で、選手はお互いに声を掛け合ってますか」
「本当のエースストライカーは誰に担わせたいのですか」
「今、その人はピッチの中で何をしていますか」
「イエローカードは何枚ですか」
・・・等の質問を投げ掛けることができ、ほぼ1時間、「サッカーの言葉」で会話が進みました。

結果、
「ボールの上げ方や出し方の練習を強化すべきですね」
「試合に勝ったらどんないいことがあるかをもっと共有したいと思います」
「まず全員の足のすぐ前にボールを落としてやることが大切かも知れません」
・・・等の感想も出てきました。

「例える力」をコーチングでは「メタファー力」と呼び、たいへん重視しています。私自身も関心の高い分野の一つです。
「仕事がなかなか前に進まないと言っていますが、山登りに例えると今何合目辺りにいる感覚なんですか」
「例のドラマの登場人物に例えると、その方はどんなタイプなのですか。その理由は」
「ずばり、あなたの時間泥棒を3つ挙げるとしたら何ですか」・・・。
こんな表現を使うことで、認識の共有がより明確に進んだり、混沌としていた状況がぐっとシャープに整理されるということも少なからず経験してきました。

ただ、1時間の時間をサッカーの言葉で表現し尽くすという体験は今回が初めて。そして、それはたいへん的を絞ったディスカションを促すという意味でもとても快適なことでした。この表現力(メタファー力)、本当に巧みで羨ましいなあと感じました。

あなたは最近、どんなメタファーを使ったでしょうか。また、これまでに「これ、決まった!」と感じたメタファーにはどんな表現があったでしょうか。「例える力」の奥行きをたいへん強く感じたコーチングセッションでした。

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